中山永次郎氏の何気ない人生と石の山

中山永次郎氏は今年72歳になる男性です。12年前に妻を亡くし、中部地方の小さな町で独りで暮らしています。住んでいる街は人口1万人ほどの日本ではごく普通の田舎です。子供は、44歳の息子が一人います。息子は名古屋に住んでおり、妻と小学生の孫(男の子)が一人います。
出身は九州の、昔、炭鉱で栄えた町です。幼いころはぼた山に登って遊ぶのが好きでした。友達と一緒だった記憶はありません。いつも一人で、ただ座って過ごすのが好きでした。親が炭鉱に勤めていたわけではありません。炭住(炭鉱住宅)に友達がいたわけでもありません。どちらかというと、炭住には近寄らないようにしていました。幼いころから人と関わるのが得意ではなかったのです。人が嫌いなわけではありません。話したり、感情を表現することが苦手なのです。両親は、毎日のように手足を真黒にして帰ってくる息子を不思議に思っていたようですが、本人が何も話さないため聞けずにいたようです。

中山永次郎氏は、地元の高校に進学し、その後九州の大学に進みました。高度成長期にあたり、周りが勧めるままに理系の学科を選び、就職は技術系の会社に就職しました。まじめで責任感の強い性格のため、会社からの信頼は厚く、本社のある中部地方へ転勤となりました。
33歳の時、上司の紹介でお見合いをし、同じ会社の事務員をしていた妻と結婚しました。お見合いでは置物のように一言もしゃべらず、絶対断るつもりだったと、後に妻が語っていました。ただ、見るからに実直そうで、出世間違いないという上司の言葉を信じ、結婚を決めたそうです。しかし、中山永次郎氏は真面目すぎる性格と寡黙で人付き合いが悪かったため、定年まで出世することはありませんでした。仕事が忙しく、息子が中学生の頃は家に帰る日もほとんどないほどで、受験や就職の相談にのってやることも出来ませんでした。妻が亡くなってからは、息子は法事の時ぐらいしか実家に帰ってきません。電話をかけてくることもなく、たまに息子の嫁が変わりがないか確認の連絡を入れてくるぐらいです。孫と会話をしたのもいつだったか思い出せないぐらいです。表情なく黙ったままの祖父が怖いようで、会うといつも嫁の背中に隠れてしまいます。

中山永次郎氏が石を集め始めたのは、妻が亡くなって1年ほどしてからです。中山永次郎氏によると、特別な石ではなく近所の河原に散歩に行った帰りに目についたものを持って帰るそうです。今では玄関を覆うほどの石の山となっており、近所ではちょっとした話題となっています。

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